2020年8月30日日曜日

【皆様へ】

2020/8/30 ユーナ株式会社 鈴木愛美

 

【はじめに】

去る731日に、comico出版権設定契約を解除し、葉山いずみ氏、慶優氏、鈴木愛美の三者で制作している『復讐の赤線』の連載を終了いたしました。まだ連載途中で物語も完結していない中での突然の連載終了に、読者様や関係者様を大変驚かせてしまったことは本当に申し訳なく、心苦しい気持ちでいっぱいです。


現在、『復讐の赤線』は出版社から独立し、著作権と出版権を著者が所有している作品となります。独立することを出版社へ申し立てたのは編集者である鈴木ですが、葉山氏、慶優氏と何度も話し合い、互いの気持ちが同じであること、連載を止めてでも独立する意思が変わらないことをそれぞれで確認し、決断しました。
 

 

【独立に至る経緯】

その結論に至るまでには、comico社との細かな認識の相違が多く発生しておりました(是正を求めて対応していただいた事例もございます)。そして独立のいちばんの理由は、説明が不十分なまま、電子書籍の続巻が発刊されなくなったことです。 


電子書籍版については、
20181010日にcomico社の書籍部責任者様よりお声かけいただき、書籍化の準備を進めて2019311日に第1巻がリリースされました。それ以降も第5巻まで順調に出版させていただいておりましたが、5巻のリリース直前の2019107日に「ラインアップの見直し」のため、続巻の発行をいったんストップすると連絡がありました。


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巻のラストは話もなかばで、電子書籍の続巻が出なくなることなど想定していなかったため、「この続きはどうなるのか」というところで終わっています。あわててcomico社の書籍部担当者様に面談をお願いし、その旨を伝えたところ「今は連載が順調だからそこに集中してほしい」とのお返事でした。


また
2019年末に既刊の販促キャンペーンもしてくださるということで、我々も購入者プレゼントのイラスト描き下ろしやグッズ制作などでご協力させていただきました。キャンペーンの成果や続巻に関する見通しなどは年明けにあらためて話し合いの場を設けてくださるというお約束でした。


しかし、その約束は書籍担当者様の退職によって立ち消えとなり、その後しばらく説明がなく、ようやく最近になってキャンペーンの結果や電子書籍の状況についてご説明いただきました。


そもそも、書籍化のお話をいただけたことは大変光栄なことですが、結果的に電子書籍の売上が想定を下回ったことで事前に説明もなく続巻を打ち切られたことは、あまりに配慮が欠けたやり方であると私たちは驚き、そして大きな悲しみ、今後の制作活動に不安を抱きました。


書籍版を買い続けてくださった読者の方々は、ストーリーのこんな中途半端なところで続きが出なくなるとわかっていたら、果たして購入してくれたでしょうか?
それどころか、未だに出る見通しのない6巻を楽しみに待ってくださる読者様もいらっしゃいます。


またその一方で、続巻が出ないことへの問い合わせやお叱りが、著者にダイレクトに届くことは少なくありませんでした。出版の決定権がない著者は曖昧に返事するしか術はなく、それが出版社に対する不信感につながり、創作にも悪い影響が出始めました。

 

もちろん、商業作品である以上、製作費を回収できない電子書籍の発行が打ち切りになるのは当然です。しかし本作はwebtoon連載において多くの読者様に支持されている人気作品です。


comico
社より、webtoon連載は、楽しみに読んでくださっている大勢の読者様に向けて継続して欲しいと要望をいただきましたが、その一方で、書籍のリリースは製作費の観点から継続できないといわれても、連載も書籍版も全く同一の作品です。


連載を継続する一方で、書籍版を選んで購入してくれた読者様だけを何の説明もなく切り捨てる行為はさすがに見過ごせません。それならばせめて、「言いたくても言えない」著者の気持ちに配慮し、こうした運営上の判断はうやむやにせず公にしてほしいと思いました。


私は、著者の伴走者という編集者の立場から、書籍版の続巻発行が再開されない限りはcomico社との信頼回復をはかるのが難しいと判断し、著者と話し合い、出版権設定契約を途中解約することといたしました。 

 

【現在の状況】

最終的に話し合いの場を設けてくださり、著者や私の気持ちを受け止め、独立したいという我々の意思を尊重してくださったcomico編集担当者様、マネージャー様、代表取締役には深く感謝を申し上げます。


現在に至るまで、いろいろなことがありましたが、何よりも『復讐の赤線』を世に出すことができ、たくさんの読者様に読んでいただけましたことは、
comico社あってのことです。これまでに『復讐の赤線』に関わって下さった関係者様が誰ひとり欠けても、現在まで続けることはできなかったと思います。


繰り返しますが、今回の件は
comico社と個別のトラブルが生じたというよりも、『復讐の赤線』を今後どう展開していくのが良いかという方向性において、両者の間で認識の違いがあったのが理由です。


著者としては、連載でも書籍版でも、読者の方々の好みに応じてどちらも選んでいただける環境を提供してまいりたいこと、さらにはゲームやアニメ、ドラマ化などメディアミックスによって、より多くの方々に愛されるタイトルにしていきたいという夢があります。とはいえ、すこしセクシーな内容なのでお子様には見せられないかもしれませんが…


現在、我々は電子書籍版『復讐の赤線』を
1巻から再販する作業を進めています。1話から大幅に加筆修正を行っているため連載は休止中ですが、いずれどこかで続きを発表したい気持ちは変わりません。まずは書籍版6巻以降をお待ちの読者様に続巻をお届けすることに邁進したいと思っています。


どうか今後とも応援していただけますと幸いです。
 


【今後についてのお願い】

最後に、お願いがあります。この先、『復讐の赤線』の電子書籍版を一緒に出してもいいよ、という媒体様、パートナー様がいらっしゃいましたらご連絡お待ちしております。 


本作は縦スクロール形式のフルカラー漫画ですが、書籍化するためにはコマを見開き形式に組み替えるための制作作業と経費が必要です。これらをサポートして下さる媒体様がいらっしゃいましたら、現在我々が所有している連載原稿
145話とこの続きをご提供させていただきたく思います。


媒体によっては掲載しにくい表現や原稿フォーマットの変更が必要な場合もあるかと思います。ご要望いただければ、
1話からの加筆修正にも対応可能です。


ストーリーの完結まで電子書籍を発行したいという我々の希望にご協力いただける媒体様、パートナー様からのご連絡をお待ちしております。


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【復讐の赤線について】

■連載開始:20171225

■連載媒体:漫画アプリ『comico

■連載曜日:毎週日曜日18時更新(最新話の追加&既存公開話のレンタル券適応)

■作品概要:舞台は戦後昭和。戦争孤児となったヒロインが引き取り先で壮絶ないじめを受け、赤線(政府公認の売春エリア)に逃れ娼婦となり、自分を虐待した家族に復讐を誓う物語です。

■縦スクロール/フルカラーのwebtoon形式。現在は145話まで公開されています。
https://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=23277 

■電子書籍は5巻まで発行(現在は配信取り下げ中) 

■実績
いじめられたヒロインが復讐をするという王道ストーリー。昼ドラマのようにシリアスでドラマティックな愛憎劇のなかに、シュールな演出が光る人気作です。累計PV数は9000万(20207月時点)で、毎週日曜の更新日当日には平均100150を超える読者コメントが寄せられる大変注目度の高いタイトルです。

2020728日実施の最終話記念キャンペーンでは、comico史上初となる「応援ポイント」「女性人気」「男性人気」「デイリー」「オリジナル作品」「人気急上昇」の6部門でランキング同時1位を獲得しました。


■連絡先

お問い合わせフォーム:
https://forms.gle/fC6EDDRGjnxV7RNV9

またはTwitterDMよりお問い合わせください。
https://twitter.com/4kaku_me

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2019年5月19日日曜日

【どのイケメンと】頼ちゃんの運命の人【恋をする?】

告知が不十分な公式ブログで申し訳ありません。

GW中は多くの読者様に作品をお楽しみいただき、心からお礼申し上げます。
ただいま6月リリース予定の3巻を編集中です。

そんな少数精鋭でお届けする『復讐の赤線』をよろしくお願いします。


ここからは編集担当者の主観となります。ご笑覧いただければ幸いです。

5月12日配信の82話を読み、このところ懸念していた「頼ちゃんの男運」が本気で心配になったので、どの男性を選べば彼女が幸せになれるか占ってみました。


赤線キャラは生年月日が非公開なので、姓名判断による相性診断(無料)です。

恋する心に寄り添うサイト『PROLO』さんの、「名前で占う恋愛相性」を利用させていただきました。



★まずは「救われてほしいイケメン」第一位のトッシーこと杉山俊人





汚れた大人なんて関係ないって感じの、美しい恋になるわ。素直で純粋な恋なの。お互いに相手を傷つけたりしないわ。一緒にいると、お金を使わなくても本当に楽しいの。デートも凝る必要はないわよ。お弁当を持って、近所の公園にいくだけで心から楽しめるんだから。二人には二人にしかわからない繋がりがあるのよ。その繋がりを信じていれば結婚の可能性は大よ。
さっ、結婚しよ(^^)

トッシーとスズランだったら、一緒にいるだけで、お金なんかなくても本当に楽しいの。
たとえ薬物中毒だろうと、たとえ赤線が廃止されて無職になろうとも、
二人にしかわからない繋がりを信じていれば大丈夫そうだよ☆


★お次は、「お花畑」なんて愛くるしい称号を授かり、小百合や恵子からもモテモテな「女性ウケ」第一位杉山篤人





感受性が似ているの。だから、二人の感情が暴走しやすいから注意して。どちらかが感情的になっていたら、どちらかがそれをとめるようになればいいの。一緒に爆発する相性だからこそ、自覚が必要ね。そうしないと、つまらない喧嘩から別れに発展するなんてすぐよ。
感情に溺れやすい相性…

パニックにならないよう工夫しながら、落ち着いて付き合わなきゃいけない時点で、すでに相当しんどい相手なのでは……


★最後は、頼子と同じ戦災孤児ながらも裏社会を渡り歩き、闇の貴公子に成り上がった高塚 修




すんなりうまくいく事はないわ。だからって悲観しなくてもいいのよ。高塚さんにとって折笠さんの考えている事が想像の範囲を超えているのね。だから折笠さんは「わかってくれない」って怒って、高塚さんは面倒臭くなるの。
適当なところで妥協して、噛み合わなさを許し合えばうまくいく…?
「お互いを好きな気持ちがあれば」という前提が必要だったら、結婚生活はそう長く続かない気もします(超個人的意見)。

そんなところです。


藤原氏下の名前が不明なので占えなかったのですが、
彼の態度からして、頼ちゃんと恋に発展することは無さそうな気が…



ところで本作、フルネームが判明しているキャラって意外と少なく、
あとは百合の園の女将、橋本芳子(はしもと・よしこ)さんくらい。

読者様からは「マツ…コ?」「デラックスかな?」と指摘されがちですが、
実は元々、源氏名「松風」でお客さんをとってた遊女だったのです。
※葉山先生によるスピンオフ小説があるので、いずれ発表します

そんな女将、この商売を始めるときに高塚氏からいろいろ世話してもらった旧知の関係
ビジネスパートナーとして相性が良いのかもしれません。占ってみましょう。



この二人はとても情熱的な恋をするわよ。そうねえ、いざとなったら駆け落ちっていうくらいのパワーがあるの。周囲を巻き込んでドラマチックな恋を展開するでしょうね。お互いに自分の情熱を持て余していたところに、同じような情熱的な相手が現れて一気に炸裂するの。だから、相当激しい恋になるはずよ。
OH…

めくるめく恋の予感…

持て余す情熱と情熱が一気に炸裂して…

………………………

高塚さんは、頼ちゃんみたいな若い娘に入れあげてないで、
生き馬の目を抜く花街を生き抜いてきたヨシコを人生の伴侶にすべきかと思います。


そんな『復讐の赤線』は今夜23時ごろ更新です!!
赤線廃止を目前に、俊人を救いたい頼子の想いは破滅への扉を開いてしまうのか!?
という話の続きです。

2019年3月10日日曜日

杉山兄弟スマホ壁紙プレゼント★電子書籍1巻リリース記念★

来たる3/12!
いよいよ『復讐の赤線』電子単行本第1巻がリリースされます!

そして翌3/13には、山谷酒場様にて初のコラボカフェもスタート
→コラボカフェのお知らせはコチラ

このカウントダウンを少しでも盛り上げたく思いまして…
2018年11月のcomico5周年イベントで配布された
「杉山兄弟スマホ壁紙」を、運営様のご厚意で
復讐の赤線公式サイトにて再配布させていただく運びとなりました。


キャンペーンを知らなかったという読者様や
新規に本作を知ってくださった読者様など

マンガをお気に召していただけたなら
赤白2タイプに彩られたクールでハイセンスなイケメン兄弟
壁紙をお持ち帰りいただければ幸いです。

すでに昨年ダウンロードしてくださっていた方々…ありがとうございます!

キャラクターものの壁紙はちょっと…と思われる方向けに
かつてTwitterで配布しましたバリエーションも置いときますので良ければ。


※画像クリックで原寸をダウンロードいただけます
杉山篤人ブラン
篤人ブラン

杉山篤人ルージュ
篤人ルージュ

杉山俊人ブラン
俊人ブラン

杉山俊人ルージュ
俊人ルージュ

白い四角目
四角目

赤い四角目
赤目



1巻は3/12より、Kindleはじめ各電子書籍ストア様にて配信予定ですが、
すでに予約注文が可能なストア様もございます。
本書が発売日に自動で端末に届くので、便利といえば便利。うん。

電子だから売り切れとかないし、初版とかもなくいつでも買えますが…
皆様のおそばにいち早く飛び込みたい、復讐の赤線です。

Amazon

BookLive

BOOK WALKER

ほか



2019年3月1日金曜日

『山谷酒場様×復讐の赤線』コラボ飯のお知らせ

とんでもなく久々のブログ更新で失礼します。
(あっ、2019年も皆様よろしくお願いします!)


おかげ様で『復讐の赤線』は、たくさんの読者様のご支援、応援によって
1年以上も連載を続けさせていただいております。
また、3月12日には悲願だった横読みの電子書籍もcomico様レーベルにて発行されます。
より多くの方々にお楽しみいただけるタイトルに育つよう
今後も作家とスタッフ一丸となって努力してまいります。

そこで今回、電子書籍1巻のリリースを記念して
ご好評いただいたリアルイベント第2弾を開催します! わー!


原画展の次はやっぱりグルメ&スイーツ!
赤線ゆかりのエリアで漫画メシを味わってください!
というイベントです。

TwitterなどSNSで話題の「山谷酒場」様とのコラボでございます。
味はもちろん折り紙つきです。本当においしい。
そして居心地が良すぎて帰りたくなくなるほど良い。

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復讐の赤線コラボ概要

◆開催期間:2019年3月13日(水)~1か月程度
※早期終了の場合あり

◆開催店舗:山谷酒場
東京都台東区日本堤1丁目10-6

◆営業時間:16:00~23:00 月曜定休日
※エントリー不要ですが、土日は混雑しますので電話予約がお薦めです

◆期間中は、本編の生原画などを公開予定

◆オフ会にお薦めの『復讐の赤線』コーナーも設置


◆赤線コラボプレート 3,000円(税込)

・今回限定の赤線オリジナルフード
・選べる山谷酒場オリジナルドリンク(500円商品)
・キャラクターグッズ(制作中)
・お持ち帰りいただける感じのネタ系赤線グッズ
※「酒場」ですが、ソフトドリンクのご提供もございます

目玉は…ここでしか飲めない山谷酒場オリジナルドリンクと、
篤人さんが本編50話にてお召し上がりあそばした甘いお菓子!(罰ゲーム?)
「あれってどんな味がするの?」って思った読者様は多いかと思います!
あれめっちゃうまかったよ! さっすが頼ちゃん…!
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場所は『あしたのジョー』のふるさと東京・山谷「いろは会商店街」。
かつては日雇い労働者が滞在する「ドヤ街」だったこのエリアも
今や東京スカイツリーを借景にした外国人好みの観光スポット。
ぜひとも新時代を迎える都市の胎動を感じていただければ幸いです。

また、大通りを挟んで徒歩5分かからない距離には
昨年9月に原画展を行いました遊郭赤線専門書店「カストリ書房」様がございます。
こちらにお立ち寄りの方にも、記念グッズを配布予定です。


ここまで足を踏み入れたなら、かの吉原ソープランド街はすぐそこ。
妖艶なネオンのなか客引きを軽くあしらう男性陣を横目に
350年前の遊郭・赤線時代よりこの地で綿々と繰り広げられてきた
色事に思いを馳せてはいかがでしょうか?

まだ詳細が決まってないところもあるので、
今後もブログやSNSなどをチェックしていただけると幸いです。
公式Twitterもよかったらフォローしてくださいませー!



2018年11月13日火曜日

【4コマ】赤線ゆるっと第四話&制作秘話

更新日前夜の宣伝4コマ、『赤線ゆるっと劇場』を更新しました。
毎週土曜21時頃にTwitterとブログで公開しております。

本家である『復讐の赤線』の制作裏話となりますが、連載準備中に原作者の葉山いずみ先生と「杉山家でのいじめ描写」をどうしようかと相談していました。
イジメの内容が陰湿すぎたりあまり長きにわたると、読者の方々がウンザリして「可哀想すぎてもう読みたくない!」と読むのをやめてしまうのではないかと…

かといって、あまりに意地悪がアッサリしてたら「戦後の食糧難の時期に食わせてもらったのだから、多少の肩身の狭さは我慢しないと!」と当然のお叱りを受けて、復讐劇が頼子の逆恨みみたいに思われてしまわないかと、葉山先生と悩みに悩みました。

そして慶優先生に作画してもらって、いじめ描写は現在のバランスに落ち着きましたが、いかがでしたでしょうか?

本編『復讐の赤線』ではあり得ないことですが、4コマの頼ちゃんは持ち前の芯の強さでクセの強い杉山家の面々をあっというまに打ち負かす頼ちゃんです。


赤線ゆるっと劇場 04話「あつあつにしてやる!」

2018年11月4日日曜日

【4コマ】赤線ゆるっと第三話

更新日前夜の宣伝4コマ、『赤線ゆるっと劇場』を更新しました。
毎週土曜21時頃にTwitterとブログで公開しております。

ゆるっとの登場キャラは、『復讐の赤線』とは別人です。
こっちの頼ちゃんは杉山家がそんなに怖くなさそうです。

左側のアオリ文は、とある青年漫画に影響されたテンションで書いたものです。
俊人の心の叫びをあらわしたつもりが…なんか失敗してるとしか思えません。
俊人がすべったみたいな感じになってたら本当にごめん…

しつこいですが、本編『復讐の赤線』の杉山俊人とは全くの別人です。


赤線ゆるっと劇場 03話「影のヒーロー」

2018年11月3日土曜日

【4コマ】赤線ゆるっと第二話

お知らせが遅くなりました。
更新日前夜の宣伝4コマ、『赤線ゆるっと劇場』を更新しました。

今回は左端の文章に杉山家の子供たちの名前と年齢を並べてみました。
考えてみたら本編には「人物紹介」や「相関図」がないため、キャラの年齢とか設定まわりを確認できないんですよね。
無料の「まとめ回」を入れても、あとあと話一覧から探さなきゃいけないなら、各話の終わりに毎回入れた方が確認しやすいかな…


赤線ゆるっと劇場 02話「杉山家と頼子」

2018年10月21日日曜日

4コマ漫画『赤ゆる』はじめました


今週からTwitterで4コマ漫画の配信をスタートします。
『復讐の赤線』デフォルメキャラによる『赤線ゆるっと劇場』です。
毎週土曜日23時ごろの配信を予定しております。

ありがたいことに、本家が日曜夜に更新されると「次の1週間が待ちきれない!」なんて嬉しい声をいただく機会が増えまして、
そんなこと言われると何かお返ししたくなっちゃう性分なので

「1週間お待たせしてる間のお楽しみを何か増やせないだろうか…」

と考えていたアイデアのひとつが、色々と条件がそろって実現できたという感じです。

『復讐の赤線』の作中だとテンポ悪くなるのであえて省略したネタをまじえ、キャラの性格を思いっきり歪曲した表現でお届けするギャグマンガです。

更新日前夜の余興になれたら幸いに存じます。

赤線ゆるっと劇場 01話「大人の事情」

2018年9月27日木曜日

「四角目は血統じゃない」カストリ書房・渡辺豪×慶優TSレポ Part2

渡辺氏よるご説明の後、漫画の作画担当の慶優氏に質問がうつりました。

写真右から:
●渡辺豪(わたなべ ごう)…原画展の会場となった遊郭・赤線専門書店「カストリ書房」の店主。全国の赤線跡をめぐり、失われつつある赤線の記録と魅力を伝える専門家のひとり。
●慶優(けいゆう)…漫画家。代表作は『てんぱいっ!』『シガーホリック』。『復讐の赤線』では、ネームから線画までを手描き原稿、一部着色をデジタルで行う。

●聞き手…鈴木愛美(すずき めぐみ、編集担当)


※()内は編集者の補足

―このイベントの目玉というか、「四角目の秘密、教えてあげるよ」ってことで……四角い目のアイデアはどうして生まれたんですか?


イベントの告知バナー

慶優:大した理由じゃないんですけど……そもそも杉山家の意地悪なキャラを比較的黒目が小さい、意地悪そうな顔にしてたんです。ただそうすると、驚いたりとか感情の起伏によって黒目が小さくなる漫画の表現が使えなくなるんで、どうしようかなと思って。
だったら感情が高まった時は「黒目を四角にする」というのはどうか、と思ってあのデザインが生まれました。

感情の起伏で四角くなる

杉山家の血統だから四角くなるという訳ではなく、黒目が小さいキャラはそうしようかなと思ってます。

―もともと黒目が小さくて、これ以上小さくできないから四角くするようにしたんですね。書いてて楽しいキャラクターは誰ですか?

慶優:当初から俊人です。担当さんとも「俊人がいちばんキャラが立ってるね」って話しながら書いてて。長髪の頃から俊人は楽しく描いてました。

―逆に、描くのが大変なのは?

慶優:芳子(女将)ですね……あのタレントさんに似てるって(読者コメントで)よく言われるので、似せて描いていった方が喜んでもらえるとは思うんですけど……似せすぎると問題あるのかなと思って、どうしようかなって(笑)
……悩みますよね。

百合の園オーナー、橋本芳子

―あのキャラは「デラックスすぎる」とcomicoでもザワつかれちゃうので、あまり似せないでください……でも本当に似てますよね(笑)

渡辺:描く側でも、キャラクターが好きだったり嫌いだったりと別れるものなんですか?

慶優:基本的に自分で描くので、全員好きは好きなんですけど……功(おじ様)ですら、好きなんですけど。このキャラは描いてて苦痛だと感じることもないので、みんな均等に愛してますね。

―作画を担当して、『復讐の赤線』のストーリーはどう思いますか? 面白いですか?

慶優:復讐ものは初めてだったので……自分でも描こうと思ったことがなかったので、はじめは探り探りで描いてました。自分自身、漫画家としてなりはじめの時から女性キャラを描くことが多くて。編集の方から女性キャラを褒められることが多かったんですけど、男性キャラはいいねと言われたことがなかったので、今回は男性キャラを認めてもらえたのが嬉しかったですね。
今回の作品で、復讐もののストーリーは好きになりました。面白いなって。

―現実に置きかえてみて、スズランのような女の子はどう思いますか?

慶優:普通にいそうな感じの女の子で、好きですね。

―逆に、こいつは無理、とか理解できない、と思うキャラクターはいますか?

慶優:思考回路が理解できないように意識して描いているのは、やっぱり篤人です。朝や昼間のワイドショー番組などで、主婦の投稿を題材にした再現ドラマなんかも参考にして描いています。

そして長男の篤人

―つまり、篤人さんの中身のモデルは、いわゆる「モラハラ夫」なんですね

慶優:そうですね……。

―篤人さんの価値観の中に、(生みの親である)慶優先生の価値観は入ってないのでしょうか?

慶優:篤人さんとの共通点は、長男というところぐらいですね。

―そうですか。ところで本編は葉山先生のプロット(筋書き)にそって進んでいますが、ご自身が『復讐の赤線で描いてみたいエピソードはありますか?

慶優:夢子視点とか蘭子視点のエピソードはそれぞれ作れそうかなと思ってますね。

―それ読みたいです。comicoでのストーリーはまだまだ続きますが、いずれスピンオフも描いていただきたいですね

娼婦たち。左から、夢子、スズラン(頼子)、蘭子、笑子、おさち

―ところで、作品公開直後に読者コメントで反応が得られるcomicoのようなシステムは、初めてのご経験だと思いますが、どう感じられましたか?

慶優:まず、すぐにコメントついたのに驚いて。作品を否定するんじゃなく、楽しもうとしてくれてるって感じが嬉しかったですし。作品を楽しむ才能のある読者に恵まれたなって感じがありました。

―そうですね。漫画を読むだけじゃなくて、コメントを書いて楽しむ、他のユーザーさんのコメントを見てまた楽しむ、っていうところがcomico読者さんにはあります。
紙媒体とWeb媒体で連載経験のある慶優先生が、comicoの連載はここが特徴的だと感じる点は?

慶優:ライブに来てる感じがありますね。

―なるほど。確かに、つまんないと感じた方からそういうリアクションがくると、ちょっと頑張ろうって気になりますよね。だから赤線読者の方は、感じたことをそのままコメントとして書き込んでくださると、作品を盛り上げるという面ではプラスですので、ぜひよろしくお願いいたします

―あと、週刊で漫画を描くのは辛いですか?

慶優:辛いですね(笑)
もともと『コミックゼノン』という月刊誌で連載してて、その次はWeb媒体の『コミックぜにょん』で隔週連載になったんです。で、今は週刊連載をやっているので、どんどん締め切りのスパンが短くなったというか……

月刊だとネームのチェックって月1回なんですけど、comicoだとネームチェックが毎週あるので、そのぶん精神的なプレッシャーはあります。ネームがOKになって下書きに入る段階では、あとは描くだけなのでだいぶ気が楽になりますが……

―アシスタントは雇わないのですか?

慶優:雇いたいですけど……原稿料が決まってるので、そこは仕方ないかなと。

―そうですね……ちなみに今回の展示にあたって、原作者や漫画家、編集者の作業を1週間にあてはめてみたのですが、慶優先生には1日も休みがなく……


週刊連載作家さんは休みがなく本当に大変です

―それでも楽しみにしてくださってる読者の方のために、休載しないよう総勢で進めています。完結まで休載なしを目指して頑張ってますので、皆様ぜひ応援よろしくお願いします!

渡辺:1週間分とか書き溜めたり、ストックは作らないのですか?

渡辺氏から当然の疑問が……ストック大事。

―書き溜めたら……放出してしまうんです。「今週は2話同時更新!」とか言って……

渡辺:それだと、体調の管理を万全にしないと……

―そうなんですよね……体調管理が大事ですよね。(慶優先生が)風邪ひいたらアウトですね

渡辺:漫画の環境はアナログとデジタルどっちなんですか?

―線画まではアナログですね。シャーペンで下書き、つけペンで線画まで描いてて。最近はかなりしんどいので、背景の一部は市販の素材を使おうかって話になってます


イケメンキャラを次々と生み出す慶優氏

―慶優先生に質問を戻します。慶優先生にとって復讐はアリですか? ナシですか?

慶優:復讐は、正攻法だったらアリかなって。昔、別の出版社で「君の描く男キャラはカッコよくないね」って言われたことがあるんですけど……今回の作品でそれは復讐になったかなと思ってます(笑)。

―(男キャラが大好評なので)復讐になりましたね!
じゃあ拳を使わない復讐だったら、ラップバトルとか、勝手に向こうが自殺するとか間接的なのもアリですか?

慶優:まあそうですね……復讐をやった方がいいかどうかはわかんないですけど、自分が後悔のないようにはしたいですね。

―過去の担当編集さんに「君の描く男キャラはカッコよくないね」と言われたけど、本作では「トッシーかわいい! 高塚さん素敵!」と読者さんが喜んでくれてるじゃないですか。それって正直、「ざまあ」って気持ちになったりしましたか?

慶優:まあ……はい。

―(笑)最後に、読者にメッセージをお願いします

慶優:あいにくの雨の中、足を運んでいただきありがとうございます。
今回、新キャラで篤人の婚約者を描いたんですけど、原画があるのでよかったら見ていってください。

あとは休載せずに更新頑張っていきますので、皆様よろしくお願いします。

―そうですね。新キャラの2人……藤原さんと、篤人の婚約者はこの先いっぱい活躍してくれそうなので、読者の皆様は楽しみに応援してくださると嬉しいです

―このたびは雨の中、イベントにご来場ありがとうございました


この後、サロン形式でリラックスムードの中、慶優氏のサイン会が行われました



→トークイベント前半へ
「娼婦は人類最古の職業」カストリ書房・渡辺豪×慶優TSレポ Part01



「娼婦は人類最古の職業」カストリ書房・渡辺豪×慶優TSレポ Part1

『復讐の赤線』原画展にて行われたトークイベントの模様をお届けします。

写真右から:
●渡辺豪(わたなべ ごう)…原画展の会場となった遊郭・赤線専門書店「カストリ書房」の店主。全国の赤線跡をめぐり、失われつつある赤線の記録と魅力を伝える専門家のひとり。
●慶優(けいゆう)…漫画家。代表作は『てんぱいっ!』『シガーホリック』。『復讐の赤線』では、ネームから線画までを手描き原稿、一部着色をデジタルで行う。

●聞き手…鈴木愛美(すずき めぐみ、編集担当


※()内は編集者の補足

―皆様、本日はお足元の悪い中、ご来場ありがとうございました。これより『復讐の赤線』ファンミーティングとして、トークショーとサイン会を進めさせていただきます


―まずは歴史上の「赤線」について、質問が多かったものを渡辺様におうかがいします

渡辺:渡辺と申します。私も赤線が好きで本を作ったり書店をやってますが、「赤線」の定義は難しいですよね。今回のような作品はフィクションなので、必ずしも史実通りじゃなくて構わないと思いますが、よりその裏側を知った方が作品の面白味も伝わってくるかと思います。

―そもそも「赤線」って、どう説明すればいいんでしょうか?

渡辺:結構それは難しくて……娼婦は「人類最古の職業」って言葉があるほど、売春って行為は自然発生的にこの世に存在しているんです。日本では遊郭がそうで、豊臣秀吉が京都に作ったのが歴史上最初の遊郭と言われています。
遊郭は太平洋戦争終結後、公娼制度(公に認可された娼婦の制度)の廃止とともになくなります。かわりに戦後翌年の昭和21年からはじまって昭和33年の「売春防止法」施行まで存在した、国が認める売春制度を「赤線」と呼びました。

→参考リンク:「24. 売春防止法」
赤線廃止までリミットは1年

赤線という言葉は、一説には警察が地図上の売春地域を赤い線で囲ったからと言われています。全国に赤線がいくつあったのか、正確な統計はないですが国内に800カ所あったとも言われてて、相当数があったんだろうと思います。今でいうコンビニみたいに、日本のどこにでも売春する場所があったってことなんですよね。

―赤線で体を売ってたのは女性だけですか?

渡辺:赤線というと女性だけです。ただ当時も男娼窟(だんしょうくつ)はあったのですが、それは上野周辺とか都市部のごく限られた一部の場所です。

―漫画では、ヒロインが赤線の娼婦とデパートに買い物に行くエピソードがあります。実際に娼婦たちは自由に外出や買い物ができたのでしょうか?

参考リンク:「15. 悪徳のめざめ」
いつの時代もデパコスは女性の憧れ

渡辺:一応、戦後日本では人身拘束は法律で禁じられていたので、制度上は自由に出歩くことはできました。ただ雇い主側からすると、自由に出歩かれて高飛びされたら借金を回収できないわけだから、店の手伝いのお婆さんとか男の人が同行したって言われています。またデパートで自由に買い物できたかというと、行ってもそこまで自由になるお金がなかったってことの方が正しいと思います。

―漫画では、(夢子が)デパートの化粧品を買いあさってます(笑)

渡辺:ああ……でも当時、化粧品をいちばん使ったのは、赤線ではなく街中で立ってる街娼、いわゆる「パンパン」と呼ばれた方たちだったようです。資生堂が出したネイルスティックという、爪に塗る口紅型の化粧品を頻繁に使ってたのも街娼だったと言われてます。

参考リンク:「21. 思いがけない訪問客」
「資生堂 爪紅」でググってみてください

―娼婦にとって化粧品は必需品だったんですね。ただデパートとか赤線の外での買い物は、店側の人間が逃げないよう見張ってると。ちなみに化粧品は自腹ですか?

渡辺:経費として支払われるわけじゃなく、ぜんぶ自腹ですね。むしろ、赤線の経営者が連れてくる業者から買うと、その商品代に手数料も乗っけられてしまうので、自分たちで買いにいった方が安かったと思います。

―世知辛いですね。また赤線で働く娼婦の身の上なんですが、自らの意志でこの職を選択したのか、あるいは生活に困窮してだったり、地方から身売りされてくるケースが多いのでしょうか?

渡辺:ほとんどの場合は生活苦ですね。戦後当時の状況を考えると、父親や兄が戦死して長女が働かなきゃならなかったり、戦争で夫を亡くした未亡人が子供を養うために働きに出るって人が多かったようです。赤線でも、自分の意志で働いているって娼婦は少なかったと思います。

―赤線は、遊郭の時代と違って自分の意志で店をやめたり、別の店に移ることはできるんですか?

渡辺:一応できます。戦後になると自由な考え方をする人が増えてきたので、嫌だったらパッと店を辞めて雲隠れしちゃう人もいたみたいです。
また、他の店に移ること……「住み替え」もできるのですが、そのときに手数料を払わなきゃいけなくて、それだと自分の借金が大きくなるだけなので。今でいう、とらばーゆ的に転職することが自分の経済状況の向上につながるとは限らず、むしろ借金が増えてしまう状況になっちゃうんですね。

―それは嫌ですね。ちなみに、娼婦は1日何人くらいの客をとるのが普通だったんでしょうか?

渡辺:店によります。儲かってる店は客も多いし、逆もあるので。記録に残っているのは、1日50人くらいの進駐軍を相手にした人もいたようです。

―1日で50人!

渡辺:たとえば江戸時代の遊女なんかも、それだけの人数相手では体が疲弊してしまうので、相手に気づかれないように手で射精させたり、いわゆる「遊女の手練手管(てれんてくだ)」を使ったそうです。赤線でも個人レベルでそういうテクニックはあったんじゃないかと思います。

遊郭・赤線専門書の店主で編集者の渡辺 豪氏

―店から引かれる手数料を考えると、最低でも1日10人くらいは客をとらないと生活できなかったのでしょうか

渡辺:だと思います。売上の配分は、戦後になるとだいたい半々ですね。経営者が半分、娼婦の取り分が半分。それが少ないかどうか、搾取されてるのかっていうとわからないですね。現代だって、会社で働く社員が売上をあげても給料が増えるわけじゃないし、売上の半分も給料もらえてるわけないですよね。
そう考えると、もしかしたら赤線の頃の方が(取り分が多いので)やりがいはあったんじゃないかと僕は思いますね。

―本作のヒロインは、戦災孤児で身寄りもお金もなかったので赤線の娼婦になりました。現実でも、お金も身寄りもなかったその頃の女性は、娼婦になるしかなったのでしょうか?

渡辺:当時のセーフティネットとして、売春以外に水商売も受け皿になってたんじゃないかと思います。スナックやバーで接客する仕事もあったようです。ただ結局そこまでお給料は良くなかったと思うので、もうちょっと実入りを考えたり、子供がいて自由な時間が取れないから短時間で稼ぐことを考えた場合、最後の砦みたいなところが「体を売る」職業だったんじゃないかと。

それ以外にも、地方から上京して行く当てもない女性が上野駅とかにいたりして、彼女たちをうまいこと騙して赤線に売っぱらっちゃう、いわゆる「ポン引き」と呼ばれる方たちもいました。世間知らずな人が東京に来て、気が付いたら赤線で働かされてた……なんてケースも多かったみたいです。

―ああ……。ところで、本作はフルカラー漫画なので登場キャラの髪や目をカラフルにしています。赤線の時代、実際に髪を染めている人はいましたか?

渡辺:ヘアスタイルのバリエーションに関しては、戦前からヨーロッパのスタイルが入ってきてたので、パーマなどは普通にありましたね。今みたいな綺麗なウェーブではなくてチリチリパーマみたいな感じでしたが。ただ、染髪の文化はあまりなかったので、娼婦に限らずその頃の女性で髪を染めるってことはほとんどなかったと思います。

フィクションです
フィクションです

―実際は、黒髪にチリチリパーマくらいだったんですね。また赤線の娼婦たちは、夜型生活だったんでしょうか?

渡辺:だいたい生活スタイルは逆転しちゃいますね。日が沈んだあたりからお客を取りはじめて……「ロング」と「ショート」という2つのコースがおおむねあって、ショートは1時間くらい客の相手をして、ロングはひと晩一緒に過ごします。翌朝9時くらいまでにお客さんを帰して、そこから遅めの朝ごはんをたべて寝ます。その後、夕方16時くらいに起きて、銭湯に行ったり身づくろいしたり、読書したりと自由時間が少しあって、また日が沈んだくらいから働き出す……というのがひとつのサイクルですね。

―作品では演出上、お客さんが娼館を訪れるシーンが多いのですが、実際は店の外で呼び込みとかをしていたんでしょうか?

わ:場所によるんでしょうけど、一般的に「牛太郎」と呼ばれる男の従業員が客引きして連れてくるパターンが多かったと思います。店の10メートルくらいの先で「かわいい子いますよ」って男性に声をかけます。もちろんそれだけじゃなく、女の人が店先に立って「いらっしゃい、いらっしゃい」って呼び込みすることもあります。


※(その後、イベントご来場の方に質問を募りました)

ご来場者様:私は沖縄出身なのですが、地元にそういう(赤線)雰囲気の街があって、人が立ってたり、中に小部屋があって女の人がいるという場所があります。今でも赤線って存在しているのでしょうか?

渡辺:ありますね。まだギリギリ。ここ20年くらいは「ウラ風俗」と呼ばれることが多かったですね。ただ質問者さんがおっしゃる通り、元々は赤線で、さらにその前には遊郭があった地域だったりします。全国に何カ所あるかはカウントしてみないとわからないですけど、いちばん最北では北海道の旭川、南は沖縄に存在しています。

また面白いのは、四国は県庁所在地に1カ所ずつ赤線地帯がまだ残ってるんですよね。四国というのは1988年に瀬戸大橋が開通してやっと地続きになった地域で。それまでガラパゴス状態で、他の地域とはひと昔くらい遅れてるような印象があるんですけど、本州では(赤線が)ほぼなくなったとはいえ、四国ではギリギリ残ってるみたいな感じです。
皆さんの中には、飛田新地(大阪市西成区山王三丁目。かつて遊廓や赤線があり、いまも売春宿が立ち並ぶ歓楽街)をご存知の方も多いかと思うのですけど、あのように(娼婦が)顔見せしてるようなところも四国にはまだ残ってます。

それでも、ここ10年くらいでそういう場所もなくなっていくと思います。

―やはりデリバリーヘルスとか無店舗型風俗が主要なサービスになっていく?

渡辺:そうですね。働く側からしても安心して働きたいというのもあるでしょうし、お客の側からしてもアンダーグラウンドなものよりは、ちゃんと認可を取っている風俗店の方が安心できるというのもあるでしょうし。


―そうなんですね。ためになるお話ありがとうございました


※後半は慶優氏にバトンタッチ、制作秘話に迫ります。


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「四角目は血統じゃない」カストリ書房・渡辺豪×慶優TSレポ Part02