【皆様へ】
2020/8/30
ユーナ株式会社 鈴木愛美
【はじめに】
去る7月31日に、comico社と出版権設定契約を解除し、葉山いずみ氏、慶優氏、鈴木愛美の三者で制作している『復讐の赤線』の連載を終了いたしました。まだ連載途中で物語も完結していない中での突然の連載終了に、読者様や関係者様を大変驚かせてしまったことは本当に申し訳なく、心苦しい気持ちでいっぱいです。
現在、『復讐の赤線』は出版社から独立し、著作権と出版権を著者が所有している作品となります。独立することを出版社へ申し立てたのは編集者である鈴木ですが、葉山氏、慶優氏と何度も話し合い、互いの気持ちが同じであること、連載を止めてでも独立する意思が変わらないことをそれぞれで確認し、決断しました。
【独立に至る経緯】
その結論に至るまでには、comico社との細かな認識の相違が多く発生しておりました(是正を求めて対応していただいた事例もございます)。そして独立のいちばんの理由は、説明が不十分なまま、電子書籍の続巻が発刊されなくなったことです。
電子書籍版については、2018年10月10日にcomico社の書籍部責任者様よりお声かけいただき、書籍化の準備を進めて2019年3月11日に第1巻がリリースされました。それ以降も第5巻まで順調に出版させていただいておりましたが、5巻のリリース直前の2019年10月7日に「ラインアップの見直し」のため、続巻の発行をいったんストップすると連絡がありました。
5巻のラストは話もなかばで、電子書籍の続巻が出なくなることなど想定していなかったため、「この続きはどうなるのか」というところで終わっています。あわててcomico社の書籍部担当者様に面談をお願いし、その旨を伝えたところ「今は連載が順調だからそこに集中してほしい」とのお返事でした。
また2019年末に既刊の販促キャンペーンもしてくださるということで、我々も購入者プレゼントのイラスト描き下ろしやグッズ制作などでご協力させていただきました。キャンペーンの成果や続巻に関する見通しなどは年明けにあらためて話し合いの場を設けてくださるというお約束でした。
しかし、その約束は書籍担当者様の退職によって立ち消えとなり、その後しばらく説明がなく、ようやく最近になってキャンペーンの結果や電子書籍の状況についてご説明いただきました。
そもそも、書籍化のお話をいただけたことは大変光栄なことですが、結果的に電子書籍の売上が想定を下回ったことで事前に説明もなく続巻を打ち切られたことは、あまりに配慮が欠けたやり方であると私たちは驚き、そして大きな悲しみ、今後の制作活動に不安を抱きました。
書籍版を買い続けてくださった読者の方々は、ストーリーのこんな中途半端なところで続きが出なくなるとわかっていたら、果たして購入してくれたでしょうか?
それどころか、未だに出る見通しのない6巻を楽しみに待ってくださる読者様もいらっしゃいます。
またその一方で、続巻が出ないことへの問い合わせやお叱りが、著者にダイレクトに届くことは少なくありませんでした。出版の決定権がない著者は曖昧に返事するしか術はなく、それが出版社に対する不信感につながり、創作にも悪い影響が出始めました。
もちろん、商業作品である以上、製作費を回収できない電子書籍の発行が打ち切りになるのは当然です。しかし本作はwebtoon連載において多くの読者様に支持されている人気作品です。
comico社より、webtoon連載は、楽しみに読んでくださっている大勢の読者様に向けて継続して欲しいと要望をいただきましたが、その一方で、書籍のリリースは製作費の観点から継続できないといわれても、連載も書籍版も全く同一の作品です。
連載を継続する一方で、書籍版を選んで購入してくれた読者様だけを何の説明もなく切り捨てる行為はさすがに見過ごせません。それならばせめて、「言いたくても言えない」著者の気持ちに配慮し、こうした運営上の判断はうやむやにせず公にしてほしいと思いました。
私は、著者の伴走者という編集者の立場から、書籍版の続巻発行が再開されない限りはcomico社との信頼回復をはかるのが難しいと判断し、著者と話し合い、出版権設定契約を途中解約することといたしました。
【現在の状況】
最終的に話し合いの場を設けてくださり、著者や私の気持ちを受け止め、独立したいという我々の意思を尊重してくださったcomico社の編集担当者様、マネージャー様、代表取締役には深く感謝を申し上げます。
現在に至るまで、いろいろなことがありましたが、何よりも『復讐の赤線』を世に出すことができ、たくさんの読者様に読んでいただけましたことは、comico社あってのことです。これまでに『復讐の赤線』に関わって下さった関係者様が誰ひとり欠けても、現在まで続けることはできなかったと思います。
繰り返しますが、今回の件はcomico社と個別のトラブルが生じたというよりも、『復讐の赤線』を今後どう展開していくのが良いかという方向性において、両者の間で認識の違いがあったのが理由です。
著者としては、連載でも書籍版でも、読者の方々の好みに応じてどちらも選んでいただける環境を提供してまいりたいこと、さらにはゲームやアニメ、ドラマ化などメディアミックスによって、より多くの方々に愛されるタイトルにしていきたいという夢があります。とはいえ、すこしセクシーな内容なのでお子様には見せられないかもしれませんが…
現在、我々は電子書籍版『復讐の赤線』を1巻から再販する作業を進めています。1話から大幅に加筆修正を行っているため連載は休止中ですが、いずれどこかで続きを発表したい気持ちは変わりません。まずは書籍版6巻以降をお待ちの読者様に続巻をお届けすることに邁進したいと思っています。
どうか今後とも応援していただけますと幸いです。
【今後についてのお願い】
最後に、お願いがあります。この先、『復讐の赤線』の電子書籍版を一緒に出してもいいよ、という媒体様、パートナー様がいらっしゃいましたらご連絡お待ちしております。
本作は縦スクロール形式のフルカラー漫画ですが、書籍化するためにはコマを見開き形式に組み替えるための制作作業と経費が必要です。これらをサポートして下さる媒体様がいらっしゃいましたら、現在我々が所有している連載原稿145話とこの続きをご提供させていただきたく思います。
媒体によっては掲載しにくい表現や原稿フォーマットの変更が必要な場合もあるかと思います。ご要望いただければ、1話からの加筆修正にも対応可能です。
ストーリーの完結まで電子書籍を発行したいという我々の希望にご協力いただける媒体様、パートナー様からのご連絡をお待ちしております。
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【復讐の赤線について】
■連載開始:2017年12月25日
■連載媒体:漫画アプリ『comico』
■連載曜日:毎週日曜日18時更新(最新話の追加&既存公開話のレンタル券適応)
■作品概要:舞台は戦後昭和。戦争孤児となったヒロインが引き取り先で壮絶ないじめを受け、赤線(政府公認の売春エリア)に逃れ娼婦となり、自分を虐待した家族に復讐を誓う物語です。
■縦スクロール/フルカラーのwebtoon形式。現在は145話まで公開されています。
https://www.comico.jp/articleList.nhn?titleNo=23277
■電子書籍は5巻まで発行(現在は配信取り下げ中)
■実績
いじめられたヒロインが復讐をするという王道ストーリー。昼ドラマのようにシリアスでドラマティックな愛憎劇のなかに、シュールな演出が光る人気作です。累計PV数は9000万(2020年7月時点)で、毎週日曜の更新日当日には平均100~150を超える読者コメントが寄せられる大変注目度の高いタイトルです。
2020年7月28日実施の最終話記念キャンペーンでは、comico史上初となる「応援ポイント」「女性人気」「男性人気」「デイリー」「オリジナル作品」「人気急上昇」の6部門でランキング同時1位を獲得しました。
■連絡先
お問い合わせフォーム:
https://forms.gle/fC6EDDRGjnxV7RNV9
またはTwitterのDMよりお問い合わせください。
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